「家族年」に各ご家族で取り組んでいただきたいこと

 9月30日で特措法に基づく緊急事態宣言が神奈川県でも解除されましたが、依然、新型コロナウィルス感染症対策をすることが求められています。末吉町教会でも感染対策を厳重に実施しながら、慎重な対応を重ねつつ、司牧活動を実施していければと考えています。信徒の皆様におかれましては、ご自分と大切なご家族の健康維持をこれまで通り優先なさっていただければ、と願っています。

 9月中は、緊急事態宣言下ではありましたが、教会委員会での決定を経てミサや司牧活動を継続していました。この中で、9月中も教会学校のクラスをZoomを用いてオンライン参加する子供たちと、ミサ後に信徒会館で参加する子供たちとのハイブリッドで実施することが出来ました。この間、港南教会は教会委員会で教会閉鎖を決定していましたので、教会学校リーダー会の皆様のご厚意で港南教会の小中高校生も末吉町教会の教会学校にオンラインで参加してもらうことが出来ました。こうして、大変な状況の中でもデジタル技術を活用することで子供たちの信仰教育も教会学校リーダーの御尽力で続けることが出来ていることは本当に素晴らしいと思います。

 9月19日(日)には14:00からの英語ミサではフィリピン共同体の赤ちゃんの幼児洗礼式も執り行われ、新しい神様の華族を教会共同体として迎えることが出来たことを神様に感謝しています。また、初聖体クラスも始まり、11月21日(日)王であるキリストの祭日に向けて8名が準備を開始しました。8名の皆さんが喜びのうちに初聖体式を迎え、私たちの救い主イエズス・キリストを聖体の秘跡のうちに自らのうちにお迎えできるようにどうぞお祈りください。

 さて、フランシスコ教皇様は昨年、2020年12月27日、聖家族の祝日のお告げの祈りの中で、「使徒的勧告『愛のよろこび』の考察を深める特別年布告」をなさいました。そして、2021年3月に迎える、使徒的勧告『愛のよろこび』発表5周年を機に、同文書の考察を深める特別年の開催を明らかにしました。期間は2021年3月19日から2022年6月26日ですので、「『愛のよろこび』家庭年」は半分ほどが過ぎたところです。フランシスコ教皇様は、昨年の12月27日の聖家族の祝日に次のようなメッセージを発表されました。

【家庭年開催に向けての教皇メッセージ(2020年12月27日)】

親愛なる兄弟姉妹の皆さん

 降誕祭から数日後、教会の典礼は、イエス、マリア、ヨセフの聖家族に眼差しを注ぐよう招きます。神の御子が、他のすべての子どもたちと同じように、家族の温かさを必要としていたことを思うのは素晴らしいことです。まさにその事実ゆえに、ナザレの聖家族は、世界中のすべての家族が確かな拠り所、理想とする、模範的な家族なのです。

 聖霊の働きにより、おとめマリアが受胎した時、ナザレにおいて、神の御子の、人間としてのいのちの春が芽を出しました。ナザレの家庭の中で、マリアの母性的な配慮と、ヨセフの世話に囲まれて、イエスの幼児期は喜びのうちに過ぎていきました。イエスはヨセフの中に、神の優しさを見出していました(使徒的書簡パトリス・コルデ2)。

 わたしたちは、聖家族に倣い、家庭の教育的価値を再発見するようにと招かれています。その価値は、愛に基づいていなくてはなりません。愛は常に絆を新たにし、希望ある展望を開きます。

 家庭が祈りの家となる時、愛情が深く純粋である時、赦しが不和を超える時、日々の生活の困難が互いの優しさと神の御旨への安らかな従順によって和らげられる時、人は家庭の中で誠実な交わりを体験することができます。

こうして、家庭は、快く自分を与えるすべての人に神が与える喜びに、自らを開くことができ、同時に、外へ、他者へ、兄弟たちへの奉仕へ、より良い新しい世界の構築の協力へと開く、霊的な力を見出すことができるのです。それは、人々に前向きな刺激をもたらし、生き方の模範をもって福音を伝える家庭です。

 当然、どの家庭にも問題はあります。時には喧嘩もあるかもしれません。それでも、一日の終わりには仲直りをしてください。「冷戦」を翌日に持ち越すことは、ためになりません。家庭には、大切に守るべき三つの言葉があります。それは、「(…しても」いいですか?」「ありがとう」「ごめんなさい」という言葉です。家庭内にこの三つの言葉があれば、その家族はうまくいくでしょう。

 今日の祝日は、夫婦と家族の愛の理想をあらためて示しながら、家庭を通しての福音宣教へと、わたしたちを招いています。それは、使徒的勧告『愛のよろこび』で強調されているとおりです。同勧告は、来年3月19日で発表から5周年を迎えます。これを機会に、『愛のよろこび』を考察する特別年が行われます。それは同文書の内容をより深く理解する機会となるでしょう。

 この使徒的勧告の実りは、皆の歩みに寄り添うために、教会共同体や家庭で役立てられるでしょう。教皇庁信徒・家庭・いのち省がこの特別年のために準備する企画への参加を、すべての皆さんに今から呼びかけたいと思います。ナザレの聖家族、特に配慮に満ちた浄配にして養父である聖ヨセフに、全世界の家族と共にするこの歩みを託したいと思います。

 これから唱えるお告げの祈りをもって、おとめマリアに助けを祈りましょう。全世界の家庭が、聖家族の福音的理想にいっそう魅了されますように。そして、これらの家庭が、新しい人類と、具体的・普遍的な連帯のパン種となることができますように。

 このフランシスコ教皇様の家庭年に向けてのメッセージの中で初めに注目したいのは、

当然、どの家庭にも問題はあります。時には喧嘩もあるかもしれません。それでも、一日の終わりには仲直りをしてください。「冷戦」を翌日に持ち越すことは、ためになりません。家庭には、大切に守るべき三つの言葉があります。それは、「(…しても」いいですか?」「ありがとう」「ごめんなさい」という言葉です。家庭内にこの三つの言葉があれば、その家族はうまくいくでしょう。

という個所です。特にコロナ禍の中で私たち一人一人は自分では気づいていなくとも、相当強いストレスを受けている可能性がありますから、家族同士の関わりの中でもかつての自分では考えられないような感情的な反応を相手に対してしてしまう場面もあることと思います。このような状況は大切な家族の絆を傷つけてしまう危険性があります。ですから、まずは、一人一人が家庭の中で「○○してもいいですか?」と相手に問うこと、また、「ありがとう」と「ごめんなさい」を言葉にしていきながら、自分の素直な気持ちを相手に伝えることを心掛けることが大切だといえます。この小さな言葉は、私たちが祈りの

心を込めて口にするとき、聖霊の恵みに満たされて相手の心に大きな愛を届ける福音宣教の言葉になっていきます。ぜひ、ご自分のご家族の間で積極的にこの3つのことばをお互いに口に上らせるようになさってください。

 次にフランシスコ教皇様のメッセージの中で注目したいのは、

家庭は、快く自分を与えるすべての人に神が与える喜びに、自らを開くことができ、同時に、外へ、他者へ、兄弟たちへの奉仕へ、より良い新しい世界の構築の協力へと開く、霊的な力を見出すことができるのです。それは、人々に前向きな刺激をもたらし、生き方の模範をもって福音を伝える家庭です。

という個所です。皆様のご家庭がお互いの思いを伝えあうことの出来る温かい家庭になっていくとき、そこには相手への思いやりをもって自分の時間も力も相手のために喜んで使うことの出来る関係が深まっていくことをフランシスコ教皇様は指摘しています。こうして、家族の間で育まれた相手への思いやりと優しさに満ちた行いと言葉かけが、家族の輪からさらに沢山の多くの人たちへと広がっていくようになればより新しい世界を切り拓いていくようになります。皆様のご家族が新しい福音的な世界を築いていく大きな礎になっていくことをフランシスコ教皇様は望んでおられます。

 フランシスコ教皇様の大きな希望に満ちたそれぞれのご家族への期待に応えていくために、この10月の間、ロザリオの祈りをそれぞれのご家族でご一緒に捧げていただきながら、聖母マリアの取次のうちに歩んでいただければ、と心から願っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA