平和旬間

平和旬間とは

末吉町教会主任司祭 ヨゼフ 濱田 壮久神父

 横浜市では4月20日から特措法に基づくまん延防止等重点措置が公示され、8月22日までの延長が当初、予定されていましたが、神奈川県に8月2日から8月31日まで特措法に基づき緊急事態宣言の発出が政府によってなされました。

 これを受けて、教会委員会四役による審議を経て、東京大司教区の 2021 年 7 月 12 日付の「現在の東京教区における感染症への対応」を参考にしながら、 平日ミサおよび主日ミサを会衆参加で継続することといたしました。このような状況の中で、会衆の参列するミサを継続し、教会の諸活動を実施するために皆様には新型コロナウィルス感染症拡大防止のために沢山の対策にご協力を頂いており、心から感謝しています。また、このような状況の中で末吉町教会の諸外国共同体が心を一つに合わせて協力をしてくださる姿に本当に心強く思っています。

 さて、末吉町教会では今夏、今年横浜教区司祭として叙階された新司祭であるルカ上杉優太神父様とルドビコ茨城・西村英樹神父様をお迎えして、それぞれ初ミサを捧げていただくことが出来ました。上杉神父様は神学科3年生と助祭の2年間、末吉町教会で司牧研修をなさっていましたが、静岡教会での司祭叙階式には、新型コロナウィルス対策のために参列者が司祭と家族に限定されていたこともあり、末吉町教会から参列していただくことができませんでしたので、初ミサの際に多くの皆さんと交流をしていただくことが出来たことはとても良かったです。上杉神父様は7月18日(日)の11:30の日本語ミサと14:00の英語ミサを司式して下さり、二つのミサの間には交流会を持つことが出来ました。こちらの様子はYouTubeの「末吉町教会公式」チャンネルで公開しておりますので、興味のある方はご覧ください。西村神父様は8月1日(日)の11:30の日本語ミサを司式して下さいました。こうして、コロナ禍の中でも新しい司祭の誕生の喜びを横浜教区の一員として味わうことが出来たことは本当に素晴らしいことだと思います。

 7月18日(日)には、11:30ミサ中に教会学校の終業式の祝福式を無事に執り行うことが出来ました。昨年は教会学校もコロナ禍の中で休止を余儀なくされていたので、4月25日の始業式以来、教会学校では1学期を無事に実施できたことは、リーダーの皆様の献身的な奉仕と、保護者の皆様のご理解があってのことですので、心より御礼申し上げます。

 新型コロナウィルス感染症対策の一環で、現在ではミサの前に検温、手指消毒、連絡先の記入を聖堂玄関ホールで実施していますが、これまでエアコンが設置されていなかったことで、受付を実施してくださる皆様には冬はとても寒く、夏は暑い中で大きな負担をしていただくことになっていました。また、香部屋にもエアコンが設置されておらず、典礼奉仕をする一人一人が、冬は寒く、夏は暑い中で準備等にあたってきました。7月中に聖堂玄関ホールおよび香部屋へのエアコン設置が完了したことで、奉仕を担当してくださる皆様のご負担を少しでも軽減できればと願っています。

 毎年、日本のカトリック教会では8月6日から15日までの10日間を「日本カトリック平和旬間」として祈りのうちに過ごしています。カトリックの典礼暦では8月6日は「主の変容」の祝日であり、8月15日は「聖母の被昇天」の祭日です。日本の現代史では、1945年8月6日には広島に原子爆弾が、8月9日には長崎に原子爆弾が投下され、8月15日に終戦を迎えました。また、日本のカトリック教会にとっては、1549年8月15日にイエズス会の聖フランシスコ・ザビエル神父様が現在の鹿児島市祇園之洲町の海岸に到着し、日本を聖母マリアに奉献したことから福音宣教の歴史が始まります。

 このように日本にとっての歩みを振り返り、また、全世界の平和を祈念しながら過ごす平和旬間は、1981年の聖ヨハネ・パウロ二世教皇様の来日を受けて始められました。その経緯についてカトリック中央協議会のホームページには次のように記されています。

【平和旬間とは】

https://www.cbcj.catholic.jp/faq/heiwajunkan/

1981年2月23日~26日、教皇ヨハネ・パウロ二世は「平和の使者」として日本を訪問し、多くの人々に喜びと希望を与えました。特に広島では、「過去を振り返ることは、将来に対する責任を担うことである」と言われ、日本国内外に平和メッセージを発信しました。戦争を振り返り、平和を思うとき、平和は単なる願望ではなく、具体的な行動でなければなりません。

そこで日本のカトリック教会は、その翌年(1982年)、もっとも身近で忘れることのできない、広島や長崎の事実を思い起こすのに適した8月6日から15日までの10日間を「日本カトリック平和旬間」と定めました。

毎年の平和旬間にあたり、そのための談話が発表されます。これ読んでいただき、ともに平和を祈り、平和を考え、平和について語り、平和のために行動する機会になることを願っています。

この「平和旬間」に広島教区と長崎教区では、全国から司教をはじめとして多くの信徒が集まり、「平和祈願ミサ」がささげられます。また各教区でも、平和祈願ミサや平和行進、平和を主題とした映画会、講演会、研修会、平和を求める署名などが行われます。

わたしたちが望む平和とはまだまだ程遠い状況ではありますが、聖ヨハネ・パウロ二世教皇の思いを新たにし、その心を心とするためにも各教区・地区で行われます平和祈願ミサや様々な行事に参加することをお勧めします。

 今年の日本カトリック司教協議会会長談話は「すべてのいのちを守ることこそ、平和をつくる。」という題で長崎大司教である高見三明大司教様によって発表されました。この談話の中で特に以下の段落を皆様と分かち合いたいと思います。

2021年平和旬間 日本カトリック司教協議会会長談話―「すべてのいのちを守ることこそ、平和をつくる。」】

https://www.cbcj.catholic.jp/2021/07/21/22769/

ミャンマーやアフガニスタンほかの国々で、逸脱した権力と武力にさらされた人々が人権を無視され、平和とはほど遠い生活を強いられています。国の安全と繁栄のためという大義名分のもとで一人ひとりのいのちがあまりにもなおざりにされていないでしょうか。

 新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)の結果、7月半ば現在で1億8千900万人以上が感染し、400万人以上が死亡、無数の人々が困窮に追い込まれています。残念ながら、感染者とその関係者だけでなく、医療従事者まで差別や偏見の対象になっています。ワクチンの配分も貧しい国々は後回しにされているため、いのちの危険が増し、社会情勢も不穏になる一方です。皆がそれぞれ苦しんでいるのです。互いに理解し助け支え合い、富める強い国は貧しい人々を助けるべきです。わたしたちは数限りない人々のおかげで生活ができているのですから、自分だけでなくほかの人のいのちをも守らなければなりません。そのためには、教皇とイスラームの指導者(大イマーム)との共同文書『世界平和のための人類のきょうだい愛』(2019年2月4日)および教皇回勅『兄弟の皆さん』(2020年10月3日)の精神を共有し、すべての人のいのちの尊厳を等しく尊重し、兄弟姉妹として相互の信頼を深めていく必要があります。

 どのような自然環境、どのような社会環境にあっても、すべてのいのちを守ることを最優先し、そうすることによってこそ平和をつくっていきたいものです。いのちは、個々のいのちだけでなくいのちのつながりをも意味すると考えるべきです。ですから、一つ一つのいのち、一人ひとりのいのちを守ることは、いのちといのちのつながりを守ることであり、それは同時に個々のいのちを守ることになります。そして、個々のいのちが充足し、いのちといのちの間に調和があり、すべてのいのちが幸福に満たされる状態こそが平和なのです。

 この8月の間、平和の元后である聖母マリアとともに、平和の君である主イエズス・キリストに向かって、私たちの生活する地上に主の平和を豊かに実らせてくださるように祈りながら過ごせますように。

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